今週末見るべき映画「パリの調香師 しあわせの香りを探して」
――舞台はパリ。人づきあいの苦手な、天才的調香師の女性アンヌ・ヴァルベルグが、一時、嗅覚が衰える。なんとか回復したものの、香水を作る仕事ではない。幼い娘の親権争いで悩む中年男の運転手ギョーム・ファーヴルが、アンヌと出会う。性格は大いに異なるが、互いに欠けている部分を補いあい...
今週末見るべき映画「燃ゆる女の肖像」
――18世紀。女性画家マリアンヌが、伯爵夫人の依頼で、断崖絶壁のブルターニュの孤島にやってくる。伯爵夫人の娘エロイーズの見合いのための肖像画を描くためである。伯爵夫人の住むお城のような館と、孤島のあちこちの風景が、とにもかくにも美しい。「燃ゆる女の肖像」(ギャガ配給)を見た...
年始め見るべき映画(その2)「ハッピー・バースデー 家族のいる時間」
――フランスの南西部の邸宅が舞台。夏のある日、カトリーヌ・ドヌーヴ扮するアンドレアの70歳のバースデーを祝うために、家族や知り合いが集まる。映画「ハッピー・バースデー 家族のいる時間」(彩プロ、東京テアトル、STAR CHANNEL MOVIES配給)の幕が開く。...
年始め見るべき映画(その1)「チャンシルさんには福が多いね」
――チャンシルさんは40歳くらいの女性で、映画プロデューサー。相棒の監督が急死、職を失う。いまだ独身。なんとか食べていかなくてはならない。 「チャンシルさんには福が多いね」(リアリーライクフィルムズ、キノ・キネマ配給)は、失業したチャンシルが、どのように生きていくのかを、淡...
年末年始見るべき映画 その2の2「声優夫婦の甘くない生活」
●「声優夫婦の甘くない生活」(ロングライド配給) ここ数年、傑作のイスラエル映画が多い。「迷子の警察音楽隊」「コングレス未来学会議」「運命は踊る」「テルアビブ・オン・ファイア」などなど。この「声優夫婦の甘くない生活」もまた、イスラエル映画の傑作と思う。...
年末年始見るべき映画 その2の1「また、あなたとブッククラブで」
「年末年始見るべき映画 その2」は、2作品です。コロナ禍は収束の気配なく、政府の無能無策ぶりに、あきれるばかり。いまさらGoToの一時停止や外出自粛、営業短縮要請でブレーキをかけても、遅すぎる。まったく、ひどい政府だ。せめて庶民は、年末年始に、優れた映画を見てのうさ晴らし。...
年末年始見るべき映画 その1の3「ブレスレス」
●「ブレスレス」(ミッドシップ配給) 妻を亡くした外科医が、ふとしたことからSMクラブに足を踏み入れる。首を絞められ、あわやの一瞬、死にかけた水中の妻が脳裏に浮かぶ。外科医は、妻の面影と出会いたくて、SMクラブに通うようになる。SMなどとは縁がなく、加虐や被虐で快感を覚える...
年末年始見るべき映画 その1の2「ヘルム―ト・ニュートンと12人の女たち」
●「ヘルム―ト・ニュートンと12人の女たち」 (彩プロ配給) 「ヴォーグ」や「エル」、「マリ・クレール」など、多くのファッション雑誌で、いろんな女性を撮り続けた写真家ヘルムート・ニュートンに、インスピレーションを与えたという12人の女性がいる。...
年末年始見るべき映画 その1の1「ハッピー・オールド・イヤー」
お元気でしょうか。世紀の愚策、一連のGo Toなんとかに加担して、感染拡大に協力するより、年末年始は、黙って映画館で映画を見ることをお勧めします。 毎年12月には、優れた、面白い映画が、たくさん公開されます。「年末年始見るべき映画 その1」は、12月11日(金)に公開される...
今週末見るべき映画「ホモ・サピエンスの涙」
――スウェーデンの映画監督ロイ・アンダーソンの新作「ホモ・サピエンスの涙」(ビターズ・エンド配給)は、さまざまな人間の、生きてあることの喜怒哀楽を、ショートコントのような短いエピソードで繋いでいく。過去の「愛おしき隣人」「さよなら、人類」とほぼ同じ結構を持つ。またまたのロイ...