今週末見るべき映画「幸福なラザロ」
――主人公ラザロの圧倒的な無垢に驚く。20世紀末、イタリアの小さな村に住む純朴な若者ラザロは、小作人だ。小作制度が廃止されたのに、領主は隠蔽したまま、村人たちの労働力を搾取し続けている。ラザロは、ある誘拐事件に巻き込まれることになる。...
今週末見るべき映画「ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ」
――「絵は壁を飾るために描くのではない。絵は盾にも矛にもなる、戦うための手段だ」。そんなパブロ・ピカソの言葉を証明したような傑作ドキュメンタリーだ。ナチス・ドイツがヨーロッパ各地で略奪した芸術品は、ざっと60万点。現在なお、10万点が行方不明という。ヒトラーの支配下に置かれ...
今週末見るべき映画「芳華-Youth-」
――1976年から1995年のざっと20年間、文化大革命、毛沢東の死、中越戦争と、激動の中国にあって、人民解放軍の歌劇団である文工団(正確には文芸工作団)に所属する若者たちがいた。時代に翻弄されながらも、とにもかくにも若者たちは、生き抜いていく。その青春群像は、切なく、胸を...
第15回編集よもやま話「『一銭五厘の旗』 を朗読で編集する」 5/11開催へ
二井康雄です。お元気でお過ごしでしょうか。 2015年6月から、神田・神保町の 「ブックカフェ二十世紀」 のオーナー、鈴木宏さんのご提案で、「編集よもやま話」 というトークイベントを、不定期ですが開催しています。 ぼくは、暮しの手帖社で、ほぼ40年、編集の現場にいました。...
今週末見るべき映画「バイス」
――田舎の電気工から、ジョージ・W・ブッシュ政権の副大統領にまで上り詰めた影の権力者、ディック・チェイニーの実像に迫る。 ジョージ・W・ブッシュ、ドナルド・ラムズフェルド、コリン・パウエル、コンドリーザ・ライスそしてディック・チェイニーと、驚くほどのそっくりさんばかりの政治...
今週末見るべき映画「ザ・プレイス 運命の交差点」
――人はその願望を叶えるために、いったいに努力し、なにがしかの苦労をするものだ。ただし、その努力、苦労が、とんでもない内容だとしたら……。 (2019年4月2日「二井サイト」公開) 男がひとり、「ザ・プレイス」というカフェの奥に座っている。この男に何か相談事があるのか、いろ...
今週末見るべき映画「記者たち~衝撃と畏怖の真実~」
――ジョージ・W・ブッシュ政権下のアメリカ。2001年9月11日の同時多発テロ後、イラク侵攻の口実に、イラクに大量破壊兵器が存在するとの政府の「巨大な嘘」を暴こうとする新聞記者たちから、真のジャーナリズムのありようが見えてくる。 (2019年3月26日「二井サイト」公開)...