今週末見るべき映画「さよなら、退屈なレオニー」
――17歳の女子高校生レオニーは、バカ騒ぎの同級生たち、口うるさい母親、威張るだけの義父に囲まれ、孤独で倦怠の日々を過ごしている。そんなレオニーが、中年男のギター教師と知り合い、寄り添っていくのだが……。 (2019年6月11日「二井サイト」公開)...
今週末見るべき映画「7月の物語」
――短編2篇、それぞれ、ある夏の日、男たちは女を口説き、女たちは口説かれることがさも当然のように振る舞う。口説く男や、嫉妬する男や女など、若い男女のちょっとした触れあい、諍いを、水彩画のように淡く描くが、複雑な心理の襞が深く、濃密に迫ってくる。これまた、フランス映画の伝統か...
今週末見るべき映画「兄消える」
――鈴木鉄男は76歳の独身男。100歳で亡くなった父親の葬儀を終えたところに、40年前に家を飛び出した4歳上の兄、金之助が、訳ありふうの若い女性、樹里を連れて、鉄男の家に転がり込む。そして……。 (2019年5月21日「二井サイト」公開)...
今週末見るべき映画「アメリカン・アニマルズ」
――大学生4人が老人に変装し、野鳥画家ジョン・ジェームス・オーデュボンの描いた高価な画集「アメリカの鳥類」を、大学図書館から盗もうとする。4人は中産階級で、ことさら金に困っているわけではない。では、なぜ、盗もうとするのか。「レザボア・ドッグス」「オーシャンズ11」「スナッチ...
今週末見るべき映画「ドント・ウォーリー」
――弱者への優しいまなざしで映画を撮り続けているガス・ヴァン・サント監督。その新作もまた、弱者に注ぐ優しさに満ちている。アルコール依存症と闘い、車椅子生活を送り、後に風刺漫画家として名をなすジョン・キャラハンの半生を、実話に基づいて描いていく。...
今週末見るべき映画「パパは奮闘中!」
――突然、ママがいなくなる。幼い兄妹を抱えたパパが、家事に育児に奮闘する。似た状況設定の映画は多いが、これはひと味もふた味も違う。家族、ひいては社会のありように向かって、戦い、奮闘する人たちを描いて、深い余韻を残す。 (2019年4月25日「二井サイト」公開)...
今週末見るべき映画「幸福なラザロ」
――主人公ラザロの圧倒的な無垢に驚く。20世紀末、イタリアの小さな村に住む純朴な若者ラザロは、小作人だ。小作制度が廃止されたのに、領主は隠蔽したまま、村人たちの労働力を搾取し続けている。ラザロは、ある誘拐事件に巻き込まれることになる。...
今週末見るべき映画「ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ」
――「絵は壁を飾るために描くのではない。絵は盾にも矛にもなる、戦うための手段だ」。そんなパブロ・ピカソの言葉を証明したような傑作ドキュメンタリーだ。ナチス・ドイツがヨーロッパ各地で略奪した芸術品は、ざっと60万点。現在なお、10万点が行方不明という。ヒトラーの支配下に置かれ...
今週末見るべき映画「芳華-Youth-」
――1976年から1995年のざっと20年間、文化大革命、毛沢東の死、中越戦争と、激動の中国にあって、人民解放軍の歌劇団である文工団(正確には文芸工作団)に所属する若者たちがいた。時代に翻弄されながらも、とにもかくにも若者たちは、生き抜いていく。その青春群像は、切なく、胸を...
第15回編集よもやま話「『一銭五厘の旗』 を朗読で編集する」 5/11開催へ
二井康雄です。お元気でお過ごしでしょうか。 2015年6月から、神田・神保町の 「ブックカフェ二十世紀」 のオーナー、鈴木宏さんのご提案で、「編集よもやま話」 というトークイベントを、不定期ですが開催しています。 ぼくは、暮しの手帖社で、ほぼ40年、編集の現場にいました。...